LPガスの安定供給

現在我が国のLPガスは、その75%が海外から輸入され、国内のネットワークを通じて日本中のあらゆる場所に供給されています。またその過程で、安定供給や流通時の安全を図るための様々な努力が払われています。

LPガスの供給状況

LPガスは、なぜ場所を選ばずにどんなところへも供給することができるのでしょう。それは、低い圧力を加えると簡単に液化し、体積も約250分の1となるため、大量のエネルギーを小さな容器で運ぶことができるからです。

そして消費する時は気体(ガス)として利用できるコンパクトな利便性の高いエネルギーであるという「他に類のない特性」があります。

このため、LPガスは、都市部から離島や山小屋も含め、約2,600万世帯(全世帯の半数以上)、全国津々浦々に供給されています。

一方、都市ガスは、導管によるガス供給のため、都市部での供給に限られているので、全国土の5.5%のエリアで供給しているにすぎません。

LPガスの供給システム

一般家庭などの比較的小口消費者に対するLPガス供給システムには、個別供給システムと、導管供給システムがあります。導管供給システムはさらに、法律規制の区別により小規模導管供給システムと簡易ガス供給システムに二分されます。

個別供給システム

個別供給システムは、一般家庭向けLPガス供給の中心的な供給形態です。

その供給は、各戸にLPガス容器を設置してLPガスを利用する形態で、LPガス容器(ボンベ)の種類は、10kg・20kg・50kg入りが一般的です。

容器(ボンベ)の取り替え時期は、LPガス販売事業者のコンピュータによりチェックされているため、消費者はガス切れを意識せずLPガスを使用できます。

また、LPガス使用量は、消費先に設置されたガスメータでカウントされた数量をもとに計算されます。

小規模導管供給

70戸未満の消費先へLPガスを供給する場合に該当し、一般のアパート・マンション及び小規模団地に採用されています。

適用される法律は、液化石油ガス法 (液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律)です。

簡易ガス供給

70戸以上の比較的規模の大きい団地やマンションなどの消費先へLPガスを供給する場合に該当します。

簡易ガス供給は、小規模導管供給とは違い、都市ガス事業者の既得供給エリアでは原則的には供給することができません。

適用される法律は、ガス事業法となります。また、ガス料金は、ガス事業法に基づくため、認可料金制となっています。

バルク供給システム

バルク供給は、従来より工場等への大規模な供給方法として用いられてきましたが、1997年(平成9年)の改正により、一般家庭を含む小口の消費者に対する供給手段としても利用できるようになったもので、従来のものと区別するため「新バルク供給システム」と呼ばれることもあります。

バルク供給システムとは、消費先に設置した貯槽または容器に、LPガスバルクローリから直接充てんするものです。貯槽には主に地下式と地上式の2種類があり、容量・形状はかなりのバリエーションがあるので、設置場所の状況に応じて最適なものを選択できるようになっています。

LPガスの使用量は、消費先に設置されたガスメータでカウントされた数量をもとに計算する場合と、バルクローリに設置された充てん質量計により計算する場合の2種類があります。